「SNS運用を強化したいが、研修費用や運用代行費用が負担になる」——そう感じている中小企業・店舗の担当者様は少なくありません。実は、SNS運用の「研修」には国の助成金を活用できる制度があります。ただし2026年8月3日の制度改正により、SNS研修は対象外と判定されやすくなった点にも注意が必要です。
この記事では、SNS運用代行・研修に使える代表的な助成金・補助金と、対象外になりやすい2つの注意点、助成金を「稼げる仕組みづくり」に結びつける考え方までを解説します。
SNS運用に使える代表的な助成金・補助金
人材開発支援助成金「人材育成支援コース」
従業員向けのSNS運用研修(Off-JT)を実施する場合、厚生労働省の人材開発支援助成金「人材育成支援コース」の対象になる可能性があります。助成率は雇用形態によって異なります。
- 正規雇用労働者等:経費助成45%(大企業は30%)
- 有期契約労働者等:経費助成70%
- 有期実習型訓練:経費助成75%(賃金要件を満たせば100%)
- 中高年齢者実習型訓練:経費助成60%(大企業は45%)
賃金要件・資格手当要件を満たすと、経費助成率にさらに15%が加算されます。訓練に要した経費は、支給申請までに事業主が全額を負担している必要があり、身内への支払いや不自然に高い受講料設定は対象外になる点にも注意しましょう。
デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)
SNS運用ツールや広告運用ツールの導入費用については、2026年度から名称が変わった「デジタル化・AI導入補助金2026」も候補になりますが、注意が必要です。この補助金は「顧客対応・販売支援」「会計・財務・経営」などの業務プロセスを1つ以上含むソフトウェアが対象で、業種・業務を限定しない汎用的な分析・自動化ツール単体は対象外とされています。SNS運用ツールを検討する場合は、他の業務プロセスを含むツールとセットで申請できるかを事前に確認することをおすすめします。
2026年8月3日の制度改正でSNS研修が「対象外」になりやすい2つの注意点
人材開発支援助成金は2026年8月3日に改正され、SNS研修は特に次の2点で対象外と判定されやすくなりました。
1. 訓練内容が「概念学習」にとどまっている
「SNSマーケティングの基礎」や「アルゴリズムの考え方」といった座学・概念中心の研修は対象外になりやすくなりました。改正後は、受講者が実際に投稿作成・画像編集・効果分析まで手を動かして行う、実務直結型のカリキュラム設計が求められます。
2. 受講対象者の選定ミス
研修の対象者に、実際にはSNS運用業務を担当しない従業員を含めてしまうと、その受講者分は対象外と判断されます。計画届の提出前に、対象者が実務でSNS運用に携わる従業員であることを明確にしておく必要があります。
あわせて、同一労働者が年度内に受けられるeラーニング形式の訓練は1回までに制限されました(講師とリアルタイムでやり取りする同時双方向型のオンライン研修は対象外の制限を受けません)。オンライン完結型の研修を複数回予定している場合は、形式の見直しが必要になるケースがあります。
助成金を活用してSNS研修を受けるまでの主な流れ
- 職業能力開発推進者の選任・事業内職業能力開発計画の策定
- 訓練開始日の6か月前〜1か月前までに「訓練計画届」を労働局へ提出
- 計画に沿って10時間以上の訓練を実施
- 訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請
- 労働局による審査を経て支給決定
計画届の提出期限が「1か月前まで」と決まっているため、思い立ってすぐに申請できる制度ではありません。研修や運用代行の導入を検討し始めた段階で、早めにスケジュールを組むことが重要です。
助成金頼みにしない「稼げる仕組み」への活かし方
助成金はあくまで研修費用の負担を軽くする手段であり、それ自体が売上や問い合わせを生むわけではありません。助成金を使って研修を受けても、投稿の型やプロフィール欄からの導線設計が整っていなければ、成果にはつながりにくいのが実情です。助成金で浮いた予算を、問い合わせ・無料相談への導線設計や、成果測定の仕組みづくりに再投資することで、初めて「稼げる仕組み」として機能します。
制度の対象可否は個社の状況によって判断が分かれるため、正式な申請にあたっては社会保険労務士や管轄の労働局への確認をおすすめします。「自社の研修計画が対象になるか分からない」「助成金を活用しながらSNS運用体制を整えたい」という場合は、無料相談で一緒に整理することも可能です。
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